【商標登録をもっと手軽に！】
商標弁理士 田口 健児
サントリー株式会社のウイスキー「山﨑」は、山﨑蒸溜所でつくられたモルトウイスキーのみでつくられます。単一蒸溜所生まれのモルトウイスキーは、ウイスキー先進国のスコットランドではシングルモルトと呼ばれ、その蒸溜所の名が冠されます。
発売当初は「山﨑」が「ありふれた氏」であることから、商標登録出願していません（商標法3条1項4号違反）。
販売実績を積んだ1994年に出願したところ、拒絶理由通知書が送達されました。拒絶査定不服審判を経て、3条2項（いわゆる使用による特別顕著性の発生）によって、1999年に登録されました。
ラベルの文字は、発売当時の社長であり、マスターブレンダーであった佐治敬三氏の筆によるものだそうです。
「土地の個性がはっきり出る、地酒のようなもの」であるモルトウイスキーの個性を主張する上でも、山﨑蒸溜所を前面に出したブランドイメージを確立することが重要であり、商標登録は大きな意味を持っています。
（日本弁理士会「ヒット商品はこうして生まれた！」）