「平成26年特許法等の一部を改正する法律」の概説:商標的使用態様

「平成26年特許法等改正説明会」に参加しましたので、商標法に関する内容を概説します。

 

左写真は、「UNDER THE SUN」という標章を付したCDが、レコード等を指定商品とする登録商標「UNDER THE SUN」の商標権を侵害しないとされた判例(東京地判平成7・2・22)のジャケット写真。

 

殆ど注目されていませんが、実は、商標法26条の「商標権の及ばない範囲」も改正されています。これにより、標章が商標として使用されていない場合には、商標権侵害とされないことが条文上、明記されました。

 

商標的使用態様の例外

Ø  266項で、これまで裁判で侵害が否定されていた商標的使用態様でない使用が条文で規定された。

Ø  自他商品識別機能を果たす態様で使用していないとして侵害を否定した裁判類型

(1)  デザインとしての使用

(2)  書籍の題号、音楽CDのタイトル

(3)  キャッチフレーズとしての使用

(4)  指示、案内するための使用

(5)  記述的使用その他

(6)  無償サービスへの使用

 

「第二十六条 商標権の効力は、次に掲げる商標(他の商標の一部となっているものを含む。)には、及ばない。

六 前各号に掲げるもののほか、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができる態様により使用されていない商標」