[拒絶査定の理由]
この商標登録出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、その構成中に「コンサル大学」の文字を有してなるところ、該文字中に、法令の規定により使用を禁止されている名称(学校教育法第1条、同第135条)である「大学」の文字を有するものですから、学校教育法に基づき正規の手続きによって、大学の設置についての認可を受けているとは認められない出願人が採択・使用することは、それがあたかも学校教育法により設置の許可を受けている大学の取扱いに係る商品・役務であるかのように誤認させるおそれがあり、学校教育制度に対する社会的信頼を害し、ひいては、公の秩序を害するおそれがあるものですから穏当ではありません。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当します。
つまり、商標中に「大学」の文字があるから、設置許可を受けている大学に係る商品・役務と誤認させるおそれがあり、公の秩序を害するおそれがあるというものです。
[登録審決の理由]
本願商標の構成中の「コンサル大学」の文字部分は、その構成全体から「執政官又は領事に関する大学」又は「コンサルタント又はコンサルティングに関する大学」程の意味合いを想起させる場合があるものといい得るところ、当審において職権をもって調査するも、学校教育法に基づいて設置された大学において、学問分野の一などとして、上記意味合いに照応する教育内容を教授しているものは見いだせなかった。
してみれば、本願商標は、たとえ、その構成中に「大学」の文字を有してなるとしても、これに接する取引者、需要者をして、直ちに学校教育法に基づいて設置された大学であるかのように認識することはないとみるのが相当であり、よって、本願商標をその指定商品又は指定役務に使用しても、世人を欺瞞する、あるいは、社会公共の利益に反するものということはできない。
つまり、大学で「執政官等」や「コンサルティング等」を教えていないから、大学と認識されることはないため、社会公共の利益に反しないというものです。
しかし、私は審査官の拒絶理由の方が適切と思います。
なぜなら、「コンサル」と言えば、日本では「コンサルティング」の略称と認識されるのが一般的です。
そして、少なくとも産業能率大学に「財務・経営コンサルティングコース」があるからです。