審決検討:「アクセスポート」(2013-068823)(4条1項11号「指定商品の類否」)

[拒絶査定の理由]

 出願人が提出した商品パンフレット(補正後の商品に関する。)よりは、該商品が「介護用ベッドに取り付けて指示する支柱又は自立式の支柱の上部に環状の手すり部を設けた介助用スタンド」といえるものであって、これは、第20類の家具の範疇に属する商品とみるのが相当です。

 そうとすれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、その外観が同一であり、また、「アクセスポート」の称呼を同一にする、外観・称呼上同一の商標であり、また、本願の補正後の指定商品と引用商標の商品とは類似のものです。


 指定商品の類似群コードが共通するからという理由ならまだしも、指定商品が第20類の家具に属するから指定商品が類似するという査定は強引です。


[登録査定の理由]

 そこで、上記の点を踏まえ、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について検討するに、請求人(出願人)の主張及び提出した証拠によれば、本願商標の指定商品は、ベッドに取り付けて支持する支柱又は自立式の支柱の上部に環状の手すり部を設けた、要介助者の立ち座り、移乗及び立位保持・歩行補助等に対応するスタンドであって、要介助者のために使用される専用の商品であり、その需要者は、要介助者、その家族若しくは介護施設等である。

 他方、引用商標の指定商品は、前記2のとおり、建築用又は構築用の専用材料等であるから、両者は、そのいずれの商品についてみても、その生産部門、販売部門、品質、用途を異にするものであり、需要者の範囲も一致するものでないから、これらに同一の商標を使用した場合に、その需要者をして同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあるとは認められない。


 つまり、両指定商品は、生産部門、販売部門、品質、用途を異にするものであり、需要者の範囲も一致するものでないから、類似しないということです。適切な審決だと思います。