「フランク三浦」お墨付き パロディー、ミュラーに勝訴

 「フランク三浦」の時計 (同社HPより)
 「フランク三浦」の時計 (同社HPより)

 スイスの高級腕時計「フランク・ミュラー」を連想させる「フランク三浦」のブランド名で腕時計を販売する大阪市の会社が、商標登録を無効とした特許庁の審決を不服として起こした訴訟の判決で、知財高裁は12日、審決を取り消し、三浦側勝訴を言い渡した。

 

 鶴岡稔彦裁判長は判決理由で「多くが100万円を超える高級腕時計と、4千~6千円程度の低価格時計が混同されるとは到底考えられない」と述べた。

 

 訴訟でミュラー側は「トップブランドとしての名声にただ乗りし、その価値をおとしめるものだ」と主張。三浦側は「巧妙なパロディーにより需要を獲得しており、ただ乗りではない」と反論。(共同通信 2016/4/13 12:28 | 4/13 12:34 updated)

 

 この判決には同意できませんでした。特許庁の無効審決の方が理にかなっていると思います。

 

 被告側の「巧妙なパロディーにより需要を獲得しており、ただ乗りではない」という主張は、著作権の話であり、商標の類似判断に適用する主張ではありません。

 また、裁判長の「多くが100万円を超える高級腕時計と、4千~6千円程度の低価格時計が混同されるとは到底考えられない」という判決も、損害賠償請求訴訟であれば、そう言えるものの、店舗での金額差は、商標の類似判断に適用する主張ではありません。

 

 「フランク・ミュラー」ほどの著名商標であれば、商標類似(商標法4条1項10号または11号)か、不正の目的(商標法4条1項19号)で無効にすべきだったと思います。