182.商標審判決研究:次郎長(2016-26601)

 

 

 

 

 

 

 

本願商標:次郎長

拒絶理由:4条1項7号

 

審判官は、

「本願の指定商品(第33類「清酒」)を取り扱う分野において、請求人以外に、同人の名称が利用されている事実も見いだせない。」

として登録査定と審示しました。

 

審査基準では、「周知・著名な歴史上の人物名であって、当該人物に関連する公益的な施策に便乗し、その遂行を阻害する等公共の利益を損なうおそれがあると判断される場合。」を登録できない例としています。

 

登録できないのは、「周知・著名な歴史上の人物名」であって、次郎長のような略称は含まれないのではないでしょうか。例示なので人物名に限定されないのかもしれませんが、坂本龍馬を想起させる「龍馬」という登録商標が15件もあることからも、4条1項7号違反は、「氏名」とすべきではないでしょうか。