372.MMPI(平成29(ワ)38481  商標権に基づく差止等請求事件):弁理士田口健児

原告商標:MMPI

指定役務:44 心理検査

被告標章:MMPI-1

 

裁判長は、

「「MMPI」は、前記1のとおり、質問紙法検査に基づいて性格傾向を把握する心理検査の名称である「Minnesota Multiphasic Personality Inventory」(ミネソタ多面的人 格目録)の略称であり、本件商標の指定役務である心理検査の需要者、取引者において、心理検査の一手法である本件心理検査又はその略称を示すものとして周知であると認められるから、心理検査の内容、すなわち「質」を表すものということができる。」

として、被告各標章は、法26条1項3号に該当し、本件商標権の効力は及ばないと判示しました。

 

外国で開発された検査などを日本に持ってきた場合、導入した法人は、各種資料を翻訳したり、検査を日本人向けにカスタマイズしたりします。その時に日本においては自分に権利があると思い込み、商標を登録することもあります。しかし、その検査が外国を中心に普通名称化した場合、商標権の効力が及ばなくなることがあることには、注意が必要です。