任天堂VSモンテローザ:商標「WaraWara」異議決定

 モンテローザが任天堂の登録商標「WaraWara」(登録第5543175号)について異議を申し立てていましたが、その異議の決定が出ました。

 結果は、「維持」の決定、つまり、モンテローザの申立ては認められず、任天堂のこの商標登録が維持されます。

 

 それぞれの主張を要約します。

 モンテローザは、

「任天堂の登録商標「WaraWara」はモンテローザの著名商標「笑笑」「わらわら」「WARAWARA」と同一であるため、これを使用すると役務の混同が生じるおそれがあり(4条1項15号)、出所表示機能の希釈化及び名声毀損等のおそれがある(4条1項19号)」

と申し立てました。

 

 これに対して特許庁は、

「登録商標「WaraWara」は、著名商標「笑笑」「わらわら」と外観及び観念が異なるため、非類似であり、「WARAWARA」は、任天堂の出願当時著名ではなかったので、出所の混同は生じない(4条1項15号)。また、任天堂が「笑笑(わらわら)」の著名性にただ乗りして、不正の利益を得ようとする意図があったとは言えない(4条1項19号)」

として、維持を決定しました。

 

 私には、特許庁の判断は、妥当と思われます。

 登録商標「WaraWara」の指定商品は、殆どゲームに関するものなので、これを使用したからといって、モンテローザがゲーム類を販売しているとは思えません(4条1項15号)。

 また、任天堂がゲーム類に登録商標「WaraWara」を使用した結果、モンテローザの登録商標「笑笑(わらわら)」が「飲食物の提供の出所表示であることが薄まったり、登録商標「笑笑(わらわら)」の名声が傷つけられるという主張には、無理があるように感じられました。