商標とは何ですか?

 「商標(Trade Mark)」とは、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるものであつて、業として商品や役務に使用するものをいいます。

 

 簡単に言うと、商品や役務に対する「目印」ですね。あくまで使用する商品や役務が必要となるため、著名な商標でも使われていない商品や役務に対しては、商標ではなく、「標章(Mark)」と呼ばれます。

 

商標が持っている力とは?

 「みだくなす」という名前の商品は、いったいどんなものだったと思いますか?


 「みだく」というのは、ぶさいくといった意味の東北地方の方言です。そして、「なす」というのは野菜のナスではなくて、果物のナシです。つまり、「みっともないナシ」ということです。この商品は農家がヨーロッパから持ってきて、必死になってさらにおいしく品種改良したものです。

 

 だけど、どうやっても売れなかった。農家も一人やめ、二人やめ、最後は五家族くらいしか残らなった。

 

 そこである人が、「これは名前を変えたらいいんじゃないんですか。」と言って、つけた新しい名前が「ラ・フランス」

 

 こうして名前をつけ直して市場に出したら、今度は爆発的に売れて売れました。

ですから、見せ方を変えるという意味では、名前を変えるというのは、強烈な方法なのです。 (「気絶するほど儲かる絶対法則」 石原明著 サンマーク出版から引用)

 

 こういった商標を変えることを「リネーミング」といいます。商標を変えただけで商品は全く変わっていません。それなのに売上が劇的に上昇する・・・

商標には、こうしたチカラ」が備わっているのです。

なぜ、商標登録が必要なんですか?

 それは、自分が商品や役務に使っている標章を使用し続け、他人から真似されないようにです。

 

 一生懸命、品質を高めた商品やサービスが自分が製造または販売していることを需要者に分かってもらうためであり、商品やサービスに化体した信用が他人に真似されたり、評判に傷をつけられたりすることを防ぐためです。

 

 そして、その商品を気に入った需要者に、他の商品と間違わずに何度もその商標が付された商品を買ってもらうためです。

 

 つまりは、真似をする人が存在しない世界では商標登録は不要ですが、現実社会では、欠かすことのできない、「保険」のような存在です。

なぜお金を払ってまで商標を登録するの?

 「ウチは、昔からこの名前でやってる。この名前を言えば、お客さんはみんな知っている。わざわざ、高いお金を払ってまで、この名前を登録する必要はない!」

 

 そう思っている方はいらっしゃいませんか?確かに、商標が需要者に知られているならお金をかけて登録する必要がないようにも思えます。

 

 しかし、名前が知られているからこそ、登録が必要なのです。名前が知られているということは、その商標に非常に高い価値があるということです。需要者はその商標を目印に商品を買います。ということは、昔からその商標を使っていなかった人でもその商標を商品に付けてしまえば、消費者は勘違いして買ってしまうのです。

 

 実際に老舗のお店の商標が、知らないうちに親族や従業員に登録されてしまい、元々のお店がその商標を使えなくなってしまうということは、非常によくある話なのです。

 

 また、とても良い商品名を思いついたので使っていたところ、その商標はすでに登録されており、商標権者から使用差止どころか損害賠償を請求されてしまうのもよく聞く話です。

 

 商標を登録するということは、商品に化体した商標の信用を保護するためのものであり、商標にまつわるトラブルの解決や損害賠償などを考えると、決して高くない、非常に重要な投資なのです。

「弁理士の田口が疑問に丁寧にお答えします。」

「新しい商品を販売するんだけど、この商品名を使っても大丈夫かな?」

「商品にファンがついてきたから、他の人に商品名を真似されたくない!」

「商標登録出願したいけど、誰に相談したらいいの?」

 そんなお悩みをお持ちではないですか?

 そんな悩みのご相談に応じさせていただくのが、弁理士です。

 

 ”べんりし”という職業をご存知ですか?

あまり聞きなれない言葉ですよね。よく、「犬の散歩とか手伝ってくれる人でしょ。」とか言われます。高校時代の友達との飲み会で真顔で言われました。思わず笑ってしまいました。

 

 ”便利”ではなくて”弁理”と書きます。確かにお手伝いはしますが、発明や商標といった知的財産の保護のお手伝いです。私は、その中でも「商標」が専門の商標弁理士です。会社が誠実に商品やサービスを提供することで、顧客から商標が信用されていきます。そして、顧客から商品が指名買いされ、価格競争力や商品ロイヤリティが生まれます。

 

 しかし、商品名が他人から真似されて、値下げされたり、粗悪品を販売されると

せっかく築いた信用が一瞬で失われ、その商品が適正な価格で売れなくなってしまいます。

 

 そこで私は、商品名を特許庁に登録し、登録された商標を活用することで商品のブランドを構築する」お手伝いをしております。