審決取消請求事件:商標「ADMIRAL」平成26年(行ケ)第10170号(4)

    使用権者商標            原告使用商標
    使用権者商標            原告使用商標

 

 

 

 

 

 

 

 

使用権者商標の使用は,法53条1項本文の「他人の業務に係る商品・・・と混同を生ずるものをしたとき」に当たるか。

 

使用権者商品は,原告商品と,商品の3箇所に商標を付しているという点で共通するのみならず,複数存在する本件ブランドに係る商標のうち,各箇所に使用された商標の種類も,商標を付す位置もほぼ同一の商標を,原告商品と酷似する形状・デザインの類似の種類の商品に付しているものである。このような使用権者商標の具体的な使用態様に加えて,使用権者商品(サンダル)の性質や使用権者商品が紹介されていた雑誌が原告の商品が紹介されていた雑誌と共通することからすれば,使用権者商品の需要者も原告商品と同じ20歳前後の若年層を含むと認められ,両商品は需要者及び取引者を共通にしていること,両商品は,大手靴量販店であるチヨダの店舗で同じ棚に並べられて販売されていたという取引の実情をも考慮すれば,チヨダによる使用権者商標の使用態は,単に原告使用商標と同一又は類似する,及び「履物(サンダル等を除く。)」と「サンダル等」という商品の種類が類似すること自体により通常混同が生じうるという範囲を超えて,当時,需要者及び取引者の間において原告の販売する商品の表示として認識されていた原告使用商標の具体的な使用態様と酷似していたものというべきであり,そのような使用権者商標の使用により,取引者及び需要者に,使用権者商品も,「Admiral」商標に係るスニーカーを販売する者(原告)と同一の出所に係るものであるとの認識を生じさせる具体的な混同のおそれを生じさせたものといえる。

 

シュータン(靴ベロ)、側面、中敷の3ヶ所に商標を付した点が共通し、それぞれの商標の種類も位置もほぼ同一です。

両商品が掲載された雑誌が同一であることから需要者も共通です。

大手靴量販店であるチヨダの店舗で同じ棚に並べられて販売されていました。

以上から、需要者に出所混同のおそれを生じさせたと判示されています。