審決検討:龍馬よさこい(2012-45887)4条1項7号

「拒絶査定の理由」

 本願商標の構成中「よさこい」の文字部分は、高知県のよさこい祭りの略称ですが、下記の新聞記事情報及びインターネット情報によれば、近年では全国各地で行われているよさこい祭りの形式を取り入れた、各地の祭り・イベント・踊りを表す語として広く一般に使用されているものですから、本願指定役務中「記念イベントの企画・運営又は開催,日本の伝統文化紹介に関するイベントの企画・運営又は開催」との関係では、イベントの内容、役務の質を表示し、自他役務の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱い部分であると認められます。

 これより、本願商標を上記指定役務に使用した場合には、これに接する需要者は、その構成中の自他役務の識別標識としての機能を有する「龍馬」の文字部分に着目し、これより生ずる観念をもって取引に資することも少なくないといわざるを得ませんから、著名な歴史上の人物名である「坂本龍馬」を直ちに想起させる「龍馬」の文字を独占することにもつながるものです。


審査官は、「よさこい」部分は識別力がないから、需要者は「龍馬」に着目する。「龍馬」は「坂本龍馬」を想起させるから、これを独占することは公序良俗に反すると判断しました。


「登録査定の理由」

本願商標は、前記のとおり、「龍馬」の文字を有してなるものの、「龍馬よさこい」の文字は同書・同大で外観上まとまりよく一体に構成され「坂本龍馬のよさこい祭り」程の意味合いを認識させるものであって、単に当該人物を認識させるものということはできないから、直ちにその指定役務について、その人物名を独占的に使用することにならず、その施策を阻害するものとはいうことはできない。


審判官は、「龍馬よさこい」は、単に当該人物を認識させるものということはできないから、直ちにその指定役務について、その人物名を独占的に使用することにならないと判断し登録しました。