ツアー・ジーがヨネックス提訴 「似た名前で商標権侵害」

 自社製品のゴルフグリップと名称が似たテニスラケットを販売され商標権を侵害されたとして、ゴルフ用品メーカー「Tour・G(ツアー・ジー)」(東京都渋谷区)が、スポーツ用品メーカー「ヨネックス」(文京区)に、ラケットの販売差し止めと約二千万円の損害賠償などを求める訴えを東京地裁に起こしたことが分かった。提訴は七月三日付。


 訴状によると、ツアー・ジーは二〇一三年、「TOUR G」という名称のゴルフグリップの製造と販売を始めた。


 一方、ヨネックスは一四年、「VCORE Tour G」という名称のテニスラケットを発売。ツアー・ジーは、「商品名の呼び方の『ツアー・ジー』が同じで、文字のデザインも似ている」とし、商標権を侵害されたと主張している。


 ツアー・ジーの横内明社長は取材に「インターネットの検索サイトに『ツアージー』『TOUR G』と入力すると、ラケットの情報が多数表示され、消費者らは混同している。ヨネックスは商標権を侵害しながら多額の利益を上げており不当だ」と話した。


 ツアー・ジーの代理人弁護士は「ヨネックス社は、商標登録されているかどうかの調査を十分に行わなかったのではないか」とみている。


 ヨネックス社長室は「現時点でお答えすべきことはない」とした。


 このラケットは一四年の全豪オープンと一五年の全仏オープンで優勝したスイス人選手が使用し、ヨ社は「使用モデル」として宣伝している。(東京新聞2015年8月6日)


 大きな事件になるかもしれませんね。

登録商標の指定商品は「運動用具」であるため、商品は類似です。

気になる論点は、2つ。


1つめは、類似商標と判断されるか。被告側は、「VCORE Tour G」で一体不可分の商標だから非類似と主張するかもしれません。または、出所識別機能を有する部分は、「VCORE」であると主張するかもしれません。


2つめは、損害賠償額の算定根拠です。原告側の登録商標は日本の商標権であるため、日本のみの利益額に基いて計算されているのか否か。


裁判の進展に注目したいです。