審決検討:YAMASHITA(2013-60256)3条1項4号

出願番号:商願2013-60256

商標:§YAMASHITA

商品及び役務の区分:28

            氏名又は名称:株式会社ヤマリア

「拒絶査定の理由」

 本願商標は、「YAMASHIT」の文字部分を青色で、末尾の「A」の文字を赤色で大きく表してなるところ、近時、レタリング技法の進展によって、商標中の文字の一部の大きさや色彩を変える手法は、広く採用されていることから、本願商標は「YAMASHITA」の文字を普通に用いられる方法の域を脱しない程度に表してなるものであるというのが相当です。(中略)

 そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、これをありふれた氏の「山下」をローマ文字で普通に用いられる方法の域を脱しない程度に表したものと理解するというのが相当ですから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、本願商標は商標法第3条第1項第4号に該当すると判断するのが相当です。

 

 審査官は、Aを大きくして赤く着色することは広く採用されているレタリング技法にすぎないので、本願商標は、ありふれた氏「山下」と理解されるため、識別力がないとしました。

 

「登録査定の理由」

 本願商標が全体として「YAMASHITA」の欧文字からなるものであって、ありふれた氏の一つである「山下」を想起させる場合があるとしても、前記のように表現された構成の全体からは、単に特定の氏を表示したものというよりは、むしろ、特異に表現された外観上の特徴をもって強く印象づけられるものとみるのが相当であるから、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者が、ありふれた氏を表示するものとして直ちに認識するということはできないものであるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を十分果たし得るものである。

 

 審判官は、特異に表現された外観上の特徴をもって強く印象づけられるので、これに接する取引者・需要者が、ありふれた氏を表示するものとして直ちに認識するということはできないとして、識別力があるとしました。

 

 私は、これ位の外観上の特徴ではありふれた氏を表示するものとして直ちに認識できるのではと感じました。