審決検討:§ARGAN ESSENCE(商願2013-78597)4条1項11号

出願番号:商願2013-78597

商標:§ARGAN ESSENCE

商品:3 アルガンオイルを使用した化粧品

  

 審判官は、「ARGAN」の語と「ESSENCE」の語からなる欧文字部分は、「アルガンオイル」を理解させるにすぎないため、識別機能がないとしました。よって、要部は、樹木の図形であり、引用商標の「アルガン\ARGAN」とは、類似しないと審示しました。

 

 私は、「ARGAN」の語と「ESSENCE」の語が直接的かつ具体的に「アルガンオイル」を理解させると思えませんでした。そして、「ARGAN」の語が大きく記載されているため、要部であるといえると思います。樹木は小さく特徴的でもないので要部と思えませんでした。


「登録査定の理由]

 本願商標の構成中の「ARGAN」の文字は、「アカテツ科の常緑樹アルガン」を表すものであって、別掲2に示すとおり、アルガンの種子から採取される油が、「アルガンオイル」及び「ARGAN OIL」と称され、化粧品に配合されている実状があるものである。さらに、その構成中の「ESSENCE」の文字は、「香りのもと」といった意味で、化粧品の分野では、「エキス、香料、香水、美容液」等を指称するものとして親しまれている語である。

 そうすると、本願商標においては、上述のような意味合いの「ARGAN」の語と「ESSENCE」の語からなる欧文字部分は、本願の補正後の指定商品である「アルガンオイルを使用した化粧品」との関係においては、「アルガンオイル」を理解させるものであり、商品の品質を表示するものといえるから、自他商品の識別標識として機能し得ない部分というのが相当である。

 してみれば、本願商標は、その要部は、樹木の図形部分にあるというべきものであって、自他商品の識別標識として機能し得ない欧文字部分に着目して、商品の出所を識別するとは考えがたいといわざるを得ないから、欧文字部分に相応した「アルガンエッセンス」や「アルガン」の称呼は生じないものである。

 したがって、本願商標の要部が「ARGAN」の文字部分にあり、「アルガン」の称呼が生ずることを前提に、本願商標と引用商標とが類似するとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。