「大迫半端ないって」をTシャツなどに使えないのか?

登録第5711702号
登録第5711702号

 

 

 

 

サッカーのロシアワールドカップで大活躍の日本代表大迫選手。

その才能は高校時代から突出しており、 2009年1月の全国高校サッカー選手権で、対戦相手の選手が試合後ロッカー室で「大迫半端ないって」と泣いた姿が話題になりました。

 

この「大迫半端ないって」という言葉はサポーターの中でも人気となり、「OSAKO HANPA NAITTE」という言葉が入ったTシャツを着ている人も目にします。そこに着目して「OSAKOHANPANAITTE」が被服等について、商標登録されています(第5711702号)。

 

では、他の人は「OSAKO HANPA NAITTE」をTシャツに使用できないのでしょうか?

 

結論から言えば、他の人も使用できる可能性が高いと思います。

 

1.商標的使用態様か?

商標は商品の出所識別標識です。「OSAKO HANPA NAITTE」をTシャツに大きくプリントすることは、物品の装飾たる意匠です。そのため、この使用形態は商標的使用態様ではないとして、商標権侵害に当たらない可能性があります。

 

2.商標が類似するか?

登録商標は「OSAKOHANPANAITTE」であり、使用商標は「OSAKO HANPA NAITTE」です。そのため、登録商標は「オサコハンパナイッテ」と読まれ区切りが分からない一方、使用商標は「オサコ ハンパ ナイッテ」と区切りが明確であるため、「大迫半端ないって」という意味も暗示しており、両商標は非類似であると判断される可能性があります。

 

3.需要者が何人かの業務に商品と認識できるか?

1と2をクリアした場合でも、使用商標が「大迫半端ないって」というキャッチフレーズであると認定された場合は、商標権の効力が及びません(商標法26条1項6号)。

 

商標権侵害に当たるのか当たらないのかにかかわらず、せっかくのワールドカップですから、大迫選手の活躍に声援を送りたいものです。